2018/2/15 at ISAO office

俺らにとっては当たり前!管理をなくして会社の成長無限大

第一回「はじめに」
第二回「ソニックガーデン>フリーランス>会社になれば誰も辞めない」
第三回「バリフラットはマッチョな超体育会系!?」
第四回「資本主義と……程よく付き合う VS 振り切る」
最終回「俺らの経営、決定的な違いとは?」

第四回「資本主義と……程よく付き合う VS 振り切る」

対談写真15

譲らないもの・諦めること

中村
僕は元々人から指図されるのが嫌いなんですよね。だからそういうことを人にもしたくない。
それでも、ISAOは計画もなければ、成長目標もないという会社にはなっていません。計画も、成長目標もあります。
プロダクトで世の中を変えていきたいっていう目標が大切で、そのためにはある程度稼ぎながら大きくなっていく必要もある。
人と人との付き合い方の考え方は倉貫さんと極めて近い考え方ですが、資本主義社会ともうまく付き合いながらやっている感じですね。
倉貫
そうですね、僕らは資本主義からふりきっていますから。
そこは、諦めのひとつです。
起業当時はスタートアップブームで、資金調達するとか上場目指すとかすごくキラキラした社長の集まりにも行きましたが浮いちゃうんですよね。(笑) 居心地悪かったです。
中村
彼らは野心がありますからね。
倉貫
野心でいうと、僕らは「プログラマーで一生やっていきたい、そういう会社にしていきたい。」という野心はあるんですけど、それは大資本を得られれば叶えられるかというと難しい話で。
例えば何万人もの社員をもつ会社になれたとしても、自分たちが考えて自分たちでやりたいようにできる環境から、強制的にやらせる環境になってしまったら叶えられないですよね。
なので最初は少数精鋭にとどめた方がいいのかと思っていましたが、お客様は増えるしエンジニアも増えちゃいまして。
そうすると、少数にとどめることにこだわるのも自然の摂理に反するなと思いました。
応募もあるし、お客様もいるし、僕らだけ変わらずに生きてはいけないので会社のカタチを変え、今は自然と増えていく形になっています。
それと引き換えに、急成長とか上場は諦めました。
「納品のな無い受託開発」をする限り、人件費がほぼ全てなんですよ。8~9割が人件費。
となると人が一番大事で、しょうもない人を入れてしまうとそれだけでダメになってしまう。
人を入れるってことに慎重にならざるを得ないんですね。
そうなったらもう急成長は無理だねと。今世は諦めよう、来世来世!(笑)

採用基準は欲張りなTIPS!1年かけるソニックガーデン流の採用とは?

中村
そうすると採用基準っていうのはどういう感じですか?
倉貫
基準というか、TIPSという観点から見ています。
T…テクニック。
I…インテリジェンス。
P…パーソナリティー。
S…スピード。
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中村
結構欲張りですね?
倉貫
欲張りです!(笑) めちゃくちゃみます。
テクニックはもちろん技術力で、プログラミングができるか。
複雑なことができるよりもきれいなソースコードがかけるか、保守性の高いコードがかけるかですね。
インテリジェンスは東大卒とかそういう頭の良さじゃなく、お客様と話して何を期待されているのかがわかるってことです。
チームで運営していくので、パーソナリティーは当然大事だし、あとは何よりスピード感ですね。
僕らは粗くてもいいから早く出して、そこからのフィードバックで直していこうという感じなので、社内で見てもらうときにも100%じゃないと出せないっていう人は無理です。スピード感が合うかどうかっていうところも含めてみています。
中村
完璧主義じゃないっていうことですかね?
倉貫
そうですね。
TIPSを1年くらいかけてみています。
中村
どうやっているんですか?
倉貫
基本的に僕らは社長面接から入ります。応募の返事も社長の僕がします。
いろんな人が面接してから僕がNGをだすって、時間がもったいないじゃないですか。合理的じゃない。
今は応募が増え毎回面接していると大変になってきたので、自分たちのWEBサイトにトライアウトという採用システムをつくりました。
本人が自分でエントリーすると、トライアウトのレベル1が始まりましたと表示されます。
中村
eラーニングみたいですね。
倉貫
内容は、Ruby on railsの基礎からこのモデリングできますか?とか。
わからない人はここに載っていますよとWEBのコンテンツも貼ってあります。
自分で勉強してねって。
あとは面接で聞く質問って決まっているので、質問項目を作文にまとめてもらいます。
応募者には作文とトライアウトを提出してもらって、クリアしたら「おめでとうございます、レベル1クリアです。それでは倉貫と面接です。」とテレビ会議に進みます。
対談写真18

僕らがプログラマーの定義を変えていければいいんじゃない

中村
いっぱい求人がくる中で、コードだけ書きたいって勘違いしてきた人はいませんでしたか?
倉貫
もう来ないですね。 そういうことはブログとかあちこちで発信していますから。
応募するときって、応募する会社のホームページとかちゃんと調べますよね。調べたときに社長のブログとか絶対見るじゃないですか。
僕は社長のブログめちゃくちゃ書くので。読んでも読んでもまだあるみたいな。(笑)
そうやっていっぱい読んでいくと、この人の言うプログラマーはコーダーじゃないとちゃんとわかってくれるみたいです。
中村
求める人材が一般的なプログラマーの定義とはだいぶ違いますもんね。
倉貫
実際に起業したときも、プログラマーって言うと、勘違いする人がいるから違う言い方したほうがいいんじゃないかと言われたんですけど、違う言い方がなかった。
新しい名前つけるのも難しいし、世の中にない言葉を作るのも難しいし。

アーキテクトとかっていう言葉も候補にあったんですが、しゃらくさいなと思って。(笑)
僕らがプログラマーっていうその言葉の定義すら変えていけばいいんじゃないかと思っています。
対談写真19

友達としか仕事をしたくない!レベル2クリアからのお友達期間

中村
レベル1で、嘘ついてくる人とかいないですか?
倉貫
レベル2になると実際にコードを書いてもらうので、嘘ついてくる人はいないですね。
レベル1で嘘ついてもレベル2でも落ちるし、嘘ついて入ってもやっていけないのは本人が一番わかると思います。
そういう人は自ら去っていきますね。
中村
採用まで1年。 レベル1があって、レベル2でコード書いて。その後はどうするんですか?
倉貫
レベル2でコードを書いてもらった後に、ソースコードレビューを行います。
もうひとつは私のブログを読んでもらって、どう思ったか書いてもらう。
会社の嫌なところもいいところもブログに書いてあるから、合わないと思ったらすっとフェードアウトしてくれていいよと。
そしてもう一度面接をして、そこで色々な条件を伝えます。
そこからのレベル3は「お友達期間」と呼んでいます。
レベル2までクリアしたら技術もあるし人柄もいいということで、あとは一緒に仕事できるかどうかなので、まずはお友達になります。
僕らは基本的に友達としか仕事したくないタイプなので、友達になれるかどうか判断するために飲みに行ったり遊んだりします。
中村
それはWEBでやるリモート飲み会じゃなくて、リアルでですか?
倉貫
リアルもリモートもします。
リモート飲み会は全員を画面に表示させて。楽しいですよ。100%割り勘だし。(笑)
家族の時間を過ごしてからくる人もいるし、子供寝かせてからくる人もいるし、終わったらそのまま眠れるし。
電車乗らなくていいので結構いいですよ。
友達としてもいい人であれば、「じゃ、一緒にやろうか。」という感じで入社してもらいます。
逆に、「お友達としてはいいよねー。。でも、お友達のままで!」みたいなパターンもあります。(笑)
中村
それって既にお友達としては合格しているじゃないですか。友達はいいけど、恋人にはなれないみたいな?
どういう判断ですか?飲み方がよくないとか?(笑)
倉貫
なんでしょうね、やっぱりありますよね。一緒に仕事ができるかどうかって。
中村
向こうはいけると思ってるけど、こっちがちょっと…っていうパターンもありますよね?
倉貫
ありますね。
中村
そういうときは?
応募者「恋人になりたいです!」
倉貫さん「お友達のままで!」みたいな…?(笑)
倉貫
はい。すごいグイグイくるときあるんですよ。
でも、応募者もその時点では会社辞めていないですからね。
お友達状態のときに別の会社に転職していく人もいますし。
その人はお友達のままなので、その人が別の会社を紹介してくれることもあります。
中村
お友達は今何人くらいいますか?
倉貫
レベル2を超えて現在お友達状態でお試し中なのは2人です。
僕らの利用している「Remotty」というチャットツールにも入ってきたりします。
オフィスの鍵を渡しているような感じですね。
中村
そこに入っていくのって結構難しくないですか?
対談写真20

優しいようで冷酷な世界!?採用も経営会議もプログラマー的発想で合理的に

倉貫
お友達期間の間になんとなく社内のみんなと知り合う感じですね。
全然知らない人が急に入ってきた!みたいなことにはならないです。
この先どうしようかとは思っていますが、今のところ全社員と会ってから入ってもらうようにしています。
30人くらいなので、全員がいいよってなってから。
中村
たしかにそのプロセスは1年かかる感じしますね。最短入社だとどれくらいですか?
倉貫
早い人でも半年ですね。
中村
それだと応募者も、辞めてから転職活動っていう選択肢はないですね。
倉貫
ないですね。
転職期限が決まっていてヤバいですっていう人がいたら、うちは時間がかかるから一旦どこかで就職してきてって言っています。(笑)
ゆっくり付き合いましょうって。
僕は、お客さんも社員も長く付き合っていきたいと思っています。
入社前からしっかりと信頼関係のある人としかやらないことに決めているので、一人前と呼ばれている人たちの離職率は0です。
長く付き合おうって考えたら、2、3回会っていきなり結婚しようってありえないので。
中村
2、3回のデートで結婚してみて、上手くいかなかったら別れようっていう考え方ではないんですね。
倉貫
それって合理的じゃないなと思っているだけです。
結構僕らは優しい世界観に見られがちなんですが、社長が最初に面接することも含めてプログラマー的発想で、それが合理的だからやっているんですね。
管理しないのも管理しない方が合理的だから。
より自由にするために、どこにコストをかけるのかというだけの話で、人の管理にコストをかけるのか、入る前にコストをかけるのかを天秤にかけて合理的なことだけ考えてやっているので、どちらかというと冷酷かもしれません。
社員全員プログラマーなので、プログラムとして筋が通っているかで判断します。
社長の僕がどれだけこうしようぜ!って情熱的に説明しても社員はシーンとしているんですけど、論理的に話すとみんなしょうがないってなる。(笑)
ロジックが大事です。
なので経営会議もコンパイルの時間と言っていて、僕が思いつきで何か言ったら、副社長に「倉貫さん、それはロジックが通らない。コンパイルエラーです。」って言われる。(笑)
筋が通りませんと。
中村
胸が痛いですね(笑)
僕も思いつきでなにかやろうとすることは多いです…。(苦笑)
倉貫
僕も好きなんですけどね。思いつき。
やるときには、筋が通ったものしか残っていないですね。
まあいいじゃんって言いたいんですけど、それではいうこと聞かないですね。
中村
僕も結構それで、ごまかします。
いいじゃん、別にそんなに大したことじゃないじゃんみたいな。(笑)

最終回「俺らの経営、決定的な違いとは?」
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